こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
秋から冬にかけて、すねや背中、腕がカサカサしてかゆくなる。夜、布団に入って体が温まると、かゆくてついかいてしまう。そんな経験はありませんか?
空気が乾燥するこれからの季節は、乾燥肌によるかゆみに悩む方が増えてきます。今回は、乾燥肌がかゆくなる仕組みと、お風呂や保湿のコツ、そして東洋医学の視点からの対策についてお話します。
乾燥肌がかゆくなるのはなぜ?
肌の潤いを守る3つの成分
肌のいちばん外側にある角層(かくそう)は、とても薄い層ですが、体の水分が逃げないように守り、外からの刺激をブロックする「バリア」の役割を担っています。
このバリアを支えているのが、主に次の3つの成分だと言われています。
- 皮脂(ひし) — 肌の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ
- セラミド — 角層の細胞と細胞の間を埋め、水分を抱え込む
- 天然保湿因子 — 角層の細胞の中で水分を保つ
バリア機能が落ちると、少しの刺激でかゆくなる
これらが不足すると、角層が水分を保てなくなり、肌が乾燥します。乾燥した肌はバリア機能が落ちているため、衣類のこすれや温度の変化といった、ちょっとした刺激でもかゆみを感じやすくなると考えられています。
皮脂や水分が不足して肌が乾燥した状態は、皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう)と呼ばれます。特に、皮脂の分泌が少ないすね、腰、背中などに起こりやすいのが特徴です。

かくと、さらにかゆくなる悪循環
かゆいところをかくと、一時的には楽になります。しかし、かくことで肌が傷つくとバリア機能がさらに落ち、よりかゆみを感じやすくなってしまいます。「かゆい → かく → 肌が傷つく → さらにかゆい」という悪循環です。
かき壊した部分から細菌が入り、とびひ(伝染性膿痂疹〈でんせんせいのうかしん〉)などにつながることもあるため、できるだけかかないことが大切です。
秋冬に乾燥しやすい理由
秋から冬は空気が乾燥し、さらに暖房で室内の湿度も下がりやすくなります。また、年齢とともに皮脂やセラミドなどは減っていくと言われており、高齢の方ほど乾燥肌になりやすい傾向があります。
かゆいときの熱いお風呂は逆効果
熱いお湯は皮脂を落としすぎる
寒い季節は、熱いお風呂にゆっくりつかりたくなりますよね。かゆいところにシャワーの熱いお湯を当てると、気持ちよく感じる方もいるかもしれません。
しかし、熱いお湯は肌を守っている皮脂を必要以上に洗い流してしまい、お風呂上がりの乾燥を強めてしまいます。また、体が温まるとかゆみを感じやすくなるとも言われています。
ゴシゴシ洗いもバリア機能を傷つける
ナイロンタオルなどで体をゴシゴシこするのも、肌のバリアを傷つける原因になります。「しっかり洗ってさっぱりしたい」という気持ちが、かえって乾燥とかゆみを招いてしまうことがあるのです。
東洋医学的な視点から
「肺は皮毛を主る」
東洋医学では、「肺は皮毛(ひもう)を主る(つかさどる)」と言われ、肺は呼吸だけでなく、皮膚や毛とも深く関わっていると考えられています。
秋は五臓(ごぞう)のうち「肺」の季節とされ、秋の乾燥した空気(燥邪〈そうじゃ〉)は肺の潤いを奪いやすいと考えられています。肺が乾燥の影響を受けると、そのつながりのある肌も乾燥しやすくなるというわけです。
肌に潤いを届ける「血」の不足
東洋医学では、肌に栄養と潤いを届けているのは「血(けつ)」だと考えます。血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」と呼び、肌のカサつきのほか、爪がもろい、髪がパサつくといった特徴が見られることがあると言われています。
かゆみと「風」
東洋医学では、かゆみには「風(ふう)」が関わると考えられています。体の潤いや血が不足すると、体の中に「風」が生まれやすくなり、それがかゆみとして表れるという考え方です。そのため、潤いや血を補うことが、かゆみのケアにもつながるとされています。
東洋医学と肌の関係については、こちらの記事でも詳しくお話しています。
乾燥肌のかゆみを防ぐセルフケア
お風呂の入り方
- お湯はぬるめに — 38〜40℃程度が目安です
- 長湯をしない — 10〜15分程度を目安に
- 泡でやさしく洗う — 石けんやボディソープはよく泡立て、手のひらでなでるように洗います。ナイロンタオルでこするのは避けましょう
- すすぎはしっかり — 石けんが肌に残ると、刺激になることがあります
保湿はお風呂上がりすぐに、たっぷりと
お風呂上がりは、肌の水分がどんどん蒸発していきます。タオルで押さえるように水分を拭き取ったら、できるだけ早く保湿剤を塗りましょう。
保湿剤は、少なめに薄く伸ばすよりも、たっぷりの量を使うのがポイントです。すり込むのではなく、手のひらで肌を包むように、やさしく押さえながらなじませてください。特に乾燥しやすいすね、腰、背中は、塗り忘れがないようにしましょう。
部屋の湿度と衣類
- 加湿器などで、部屋の湿度を50〜60%程度に保つ
- エアコンやヒーターの風が、肌に直接当たらないようにする
- 肌に直接触れる衣類は、綿など刺激の少ない素材を選ぶ。ウールなどがチクチクする場合は、下に綿の服を重ねる
かゆいときは、かかずに冷やす
かゆみが出たときは、かく代わりに、保冷剤をタオルで包んで当てるなどして冷やすと、かゆみが和らぎやすいと言われています。寝ている間に無意識にかいてしまうこともあるので、爪は短く切っておきましょう。

肌を内側から支える食事
東洋医学では、梨やれんこん、大根、豆腐、白きくらげなどの白い食材は、肺を潤すと言われています。また、黒豆や黒ごま、ほうれん草など、血を補うとされる食材もおすすめです。
栄養面では、肌の材料になるたんぱく質や、ビタミン類をバランスよくとることも大切です。肌とビタミンの関係については、こちらの記事でお話しています。
かゆみや肌の乾燥によく用いられるツボ
- 曲池(きょくち) — 肘を曲げたときにできるしわの、親指側の端。かゆみや皮膚の不調によく用いられるツボです
- 血海(けっかい) — 膝のお皿の内側の上端から、指3本分上。その名の通り「血」に関わる不調に用いられ、かゆみのケアにも使われます
- 三陰交(さんいんこう) — 内くるぶしの一番高いところから指4本分上、すねの骨の内側のきわ。体の潤いを補うとされるツボです
心地よい程度の強さで、息を吐きながら5秒ほど押し、ゆっくり離します。これを3回ほど繰り返してみてください。かき壊している場所や、湿疹が出ている場所は押さないようにしましょう。なお、三陰交は妊娠中は刺激を避けたほうがよいとされているため、妊娠中の方は押さないでください。
曲池の場所はこちら↓

悪化した場合や心配な場合
次のような場合は、セルフケアで様子を見ずに皮膚科を受診してください。皮膚科では、肌の状態に合わせた保湿剤や、かゆみを抑える塗り薬などの治療を受けることができます。
- 赤み、湿疹、ブツブツが出ている、ジュクジュクしている
- かゆみで夜眠れない、日常生活に支障が出ている
- 市販の保湿剤やかゆみ止めをしばらく使っても良くならない
- かき壊したところから黄色い汁が出る、かさぶたが広がっている(とびひの可能性)
- お子さんの肌の赤みやかゆみが続いている(小児科や皮膚科へ)
また、発疹がないのに全身がかゆい 場合は、肝臓や腎臓の病気、糖尿病など、体の中の病気が隠れていることもあります。乾燥肌だと思い込まず、内科や皮膚科で相談してください。

まとめ
乾燥肌のかゆみは、肌の潤いを守る皮脂やセラミドなどが減り、バリア機能が落ちることで起こります。熱いお風呂やゴシゴシ洗いは、気持ちよくてもかえってかゆみを強めてしまうことがあるため、ぬるめのお湯でやさしく洗い、お風呂上がりすぐにたっぷり保湿することを意識してみてください。
東洋医学では、肌の乾燥は肺や血とも関わると考えられています。食事やツボ押しで内側からも整えつつ、症状が続く場合は我慢せず皮膚科に相談してください。肌の状態や体質には個人差があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
X(旧Twitter)もやっているのでフォローよろしくお願いします。
X(旧Twitter)アカウント→@shinbitokenn


コメント