なぜか疲れが取れないあなたへ。鍼灸師オススメの「睡眠の質」を高めるツボ押し

健康

こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。

皆さんは十分な睡眠を取れていますか?

朝起きた時にスッキリと目覚めることができていますか?

今回は患者さんから良く相談を受ける「睡眠の質」について、10年間臨床で鍼灸師として働いてきた経験も交えながら、体の仕組みとおすすめのツボを紹介していきます。

※本記事で紹介しているストレッチやツボの効果には個人差があります。痛みが激しい場合や症状が改善しない場合は、決して無理をせず、医療機関を受診してください。

まずは、睡眠について解剖学、生理学的な視点から解説していきます。

睡眠には体内リズム(サーカディアンリズム)が関係しており、脳の中にある視床下部(ししょうかぶ)という部分が調整をになっています。視床下部が司る主な働きは次の5つです。

恒常性の維持(ホメオスタシス)

体温、血圧、血糖値など生命維持に必要な体内機能を一定に保つ働きです。ホメオスタシスがうまく機能しないと自律神経の乱れや慢性的な疲労感、睡眠障害につながることがあります。

ホルモン分泌のコントロール

下垂体に指令を出し、全身のホルモンバランスを調整します。睡眠と特に深く関係しているホルモンには眠りを促す「メラトニン」や、覚醒を促す「コルチゾール」などがあります。

自律神経のバランス調整

交感神経と副交感神経のバランスを整えて、内臓の働きや心拍数などをコントロールします。交感神経は動物で言えば狩りをしている時のような興奮状態に近い神経、副交感神経はリラックスしている時に優位になる神経です。

本能行動の調整

食欲、性欲、睡眠欲と言った人間の基本的な欲求を調整に関わります。睡眠・覚醒のリズムも、この調整機能に含まれています。

感情のコントロール

怒りや、悲しみと言った喜怒哀楽の感情の動きにも、深く関与しているとされています。

私たちが眠っている間、脳は完全に休止しているわけではありません。私たちは「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という2つの状態を、一晩の中で繰り返しています。

ノンレム睡眠(脳の休息)

脳が休息している状態で、脳の疲労回復や記憶の整理・定着が行なわれます。また成長ホルモンが分泌させて体の組織修復や免疫機能の維持にも関わっているとされています。眠りに入った直後から現れることが多い睡眠です。

レム睡眠(体の休息)

脳は覚醒に近い状態にある一方、体は完全に脱力して休んでいる状態です。夢を見るのは主にこのレム睡眠時とされています。体が動かないよう脳から命令が出ているため、この間は寝返りなどは打ちにくくなっています。

レム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で一晩の中で繰り返されます。この周期が脳と体でバランスよく行われることで、翌朝スッキリと目覚められる、体が軽く感じられるといった状態につながります。

しかし、現代人はストレスや自律神経の乱れから、ノンレム睡眠に入りにくくなっている方も多く見られます。特に、就寝前にテレビやスマートフォン、パソコンの画面を見続けると、脳が興奮状態になりやすく、睡眠の質を下げる要因になりかねません。

ツボ押しの前に、日常生活で意識しておきたい基本的な習慣を紹介します。

就寝1〜2時間前はスマートフォン、パソコンの画面を控える

ブルーライトや情報の刺激は、脳を興奮させやすくなります。

就寝90分前に入浴を済ませる

一時的に上がった深部体温が下がるタイミングで眠気が訪れやすいとされています。

就寝、起床のリズムを整え、朝日を浴びるようにする

休日と平日で大きく生活リズムが崩れると、体内時計が乱れやすくなります。体内時計をリセットし、夜のメラトニン分泌リズムを整え安くなります。

カフェインの摂取は就寝の5〜6時間前まで

カフェインの覚醒作用は数時間持続することがあります。

ここからは、実際に睡眠に悩む患者さんへのアプローチで使うことがあるツボを2つ紹介します。

神門(しんもん)

手の少陰心経という経絡に属していて兪穴と呼ばれる重要なツボの一つです。(兪穴とは東洋医学で内臓の機能や気が注ぎ込むとされている重要なツボです。)精神を落ち着かせ、不眠不安感の緩和を目的にアプローチすることがあります。位置は手首の掌側の小指側のしわの上にあります。

失眠(しつみん)

不眠に悩む方や足元の血流を促して足の冷え、筋肉の緊張を緩める目的で用いられる代表的なツボです。院では特にお灸のアプローチを勧めることが多く、患者さんから「寝る時に足がぽかぽかしていた」という感想をいただくこともあります。位置は足の裏のかかとの中央の少し凹んだ部分にあります。

ツボを押す時のポイントは押しすぎないことです。痛気持ちいぐらいで10秒ほど押して、離すを3〜5回繰り返すのが強刺激になるのを防ぐことができるので弱い刺激から行ってください。

自宅でお灸を使用する場合は、就寝直前ではなく、就寝の30分〜1時間ほど前に行い、火の取り扱いには十分注意してください。台座タイプの間接灸であっても、同じ場所に長時間乗せたままにすると低音やけどの原因になることがあるため、説明書に記載された時間を守って使用してください。

※本記事で紹介しているツボの効果には個人差があります。不眠の状態が2週間続く、日中の強い眠気が生活に支障をきたしている、といった症状が続く場合は決して無理をせず、医療機関(内科、心療内科、睡眠外来など)を受診してください。

特にいびきや無呼吸の指摘がある場合は、睡眠時無呼吸症候群など、専門的な検査が必要な病気が背景にある可能性もあります。

睡眠は、体と心の回復に欠かせない時間です。今回紹介した生活習慣の見直しやツボ押しを、無理のない範囲で日常に取り入れて見てください。

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