こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
まだ鍼灸師になる前、駆け出しの頃の話です。引越しの荷物を運んでいる最中「ピキッ」という嫌な感覚とともに腰に激痛が走りました。いわゆるぎっくり腰です。動くこともままならず、その場にしゃがみ込んでしまったのを今でも覚えています。
その時、当時お世話になっていた先輩の鍼灸師に教えてもらったのが「腰腿点(ようたいてん)」というツボでした。手の甲にあるそのツボを強めに刺激してもらうと、驚くほど腰の動きが楽になり、なんとか自力で歩いて帰ることができたのです。
この経験があってから腰痛に対するツボの力を身をもって実感するようになりました。今回はその腰腿点を含めて、腰痛に対して実際の施術でもよく使う代表的なツボを3つご紹介します。
※これから紹介するツボはあくまで臨床上よく使うツボなので絶対に治るとは限りません。本記事では、私がこれまでの臨床経験や専門学校で培った知識をベースに、現代のセルフケアでも広く活用されている代表的なツボを紹介します。

①腰腿点(ようたいてん)
場所:手の甲側、人差し指と中指の骨の間、および薬指と小指の骨の間にある、それぞれのくぼみ。左右の手にそれぞれ2箇所ずつ、合計4箇所あります。
特徴:腰腿点は、特に急性の腰痛(いわゆるぎっくり腰)に対してよく使われるツボです。手にあるツボなので腰に直接触れなくてもケアできるのが大きな特徴です。ぎっくり腰の直後は腰を触れること自体が辛いことも多いため、このツボは非常に重宝します。
私自身、ぎっくり腰になった際にこのツボを強めに押してもらったことで、驚くほど動きやすくなった経験があります。東洋医学的には、手と腰は経絡を通じて繋がっており、遠く離れた部位への刺激が腰の気血の巡りを促し、痛みを和らげると考えられています。

セルフケアの押し方
①手の甲を上に向け、人差し指と中指の骨が交わる手前のくぼみを探す。
②痛気持ちいいと感じる強さで、ぐっと押し込む。
③5秒ほど押して離す、を繰り返す。
④もう片方のくぼみ(薬指と小指の間)、反対の手も同様に行う。
急性の強い痛みがある時は、無理に腰を動かして探すのではなく、まずこの手のツボから試してみるのがおすすめです。
②腎兪(じんゆ)
場所:腰の高さ、背骨から指2本分ほど外側、左右対称にあるツボ。おへその高さのあたりで、背中側に手を回すと触れやすい位置にあります。
特徴:腎兪は東洋医学でいう「腎(じん)」に関わるツボで、腰そのものを支える力を補うとされています。東洋医学では「腰は腎の府(ふ)」という言葉があり、腰は人の状態が現れやすい場所と考えられています。慢性的な腰のだるさ、加齢に伴う腰の弱り、冷えを伴う腰痛には、このツボがよく使われます。

セルフケアでの押し方
①両手を腰に当て、親指を腎兪のあたりに置く。
②腰を軽く反らせながら、親指でゆっくり押し込む。
③呼吸に合わせて、5秒押して緩めるを繰り返す。
④カイロなどで温めながら行うとより血流が促され効果的です。
③委中(いちゅう)
場所:膝の裏側、ちょうど真ん中にあるくぼみ。
特徴:委中は「腰背委中に求む」という古くからの言葉があるほど、腰痛に対してよく使われる代表的なツボです。腰の痛みだけでなく、太もも裏の張りや、坐骨神経痛のような症状にも用いられます。腰に負担をかけずにケアできるのも嬉しいポイントです。

セルフケアでの押し方
①椅子に座り、片足を伸ばして膝の裏を触れる姿勢を作る。
②膝裏の中央のくぼみを、指の腹でゆっくりと押す。
③強く押しすぎず、心地よい強さで5秒×数回を目安に行う。
※膝の裏には膝下動脈が流れているので強い刺激を続けると痛みが出る可能性があります。
ツボを押すときに気をつけたいこと
・急性の強い痛み(ぎっくり腰直後など)は、無理に腰そのものを押したり動かしたりせず、まずは腰腿点のような遠隔のツボから試すのが安全です。
・押して痛みが増す場合や、痺れを伴う場合は無理をせず中止してください。
・慢性的な腰痛が続く場合や、足の痺れを伴う場合は自己判断せず専門家(整形外科、整骨院、鍼灸院など)に相談することをおすすめします。
まとめ
腰痛は多くの人が一度は経験する身近な不調でありながら、いざ強い痛みに襲われると、何もできず途方に暮れてしまうものです。私自身、ぎっくり腰で動けなくなった時に腰腿点に助けられた経験があるからこそ、ツボの力を自身を持っておすすめできます。
もちろん、ツボ押しだけで根本的に改善しない腰痛もあります。日頃からの姿勢や体の使い方、体質そのものを整えていくことも大切です。もし繰り返す腰痛にお悩みであれば、セルフケアと合わせて、一度鍼灸院や整骨院で全身のバランスを見てもらうこともおすすめします。
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