こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
「便秘がちで悩んでいます」という方もいれば、「ストレスがかかるとすぐお腹を壊してしまって」という方もいて、一見正反対に思える便秘と下痢ですが、実はどちらも根っこの原因が共通していることが少なくありません。
さらに言うと、同じ人が便秘と下痢を繰り返す、いわゆる「交代性便通異常」と言うケースも臨床ではよく見られます。今回は便秘と下痢がなぜ起こるのかを西洋医学と東洋医学、両方の観点から整理し、あわせて施術でもよく使うツボを2つご紹介します。
私が働いていた鍼灸院にいた先輩も便秘と下痢を繰り返す先輩がいたり、私の父親も昔から胃腸の不調が多いです。
※これから紹介するツボはあくまで臨床上よく使うツボなので絶対に治るとは限りません。本記事では、私がこれまでの臨床経験や専門学校で培った知識をベースに、現代のセルフケアでも広く活用されている代表的なツボを紹介します。
西洋医学から見る便秘と下痢の原因
・自律神経の乱れ
腸の動き(蠕動運動)は自律神経によってコントロールされています。副交感神経が優位な時は腸の動きが活発になり、交感神経が優位な時は動きが抑えられる傾向があります。
強いストレスが続くと交感神経が優位な状態が続き、腸の動きが低下していると便秘につながることがあります。一方で、緊張やストレスが急激にかかった場合には、逆に腸が過敏に反応して下痢を引き起こすこともあります。過敏性腸症候群(IBS)のように、ストレスをきっかけに便秘型・下痢型・混合型といった症状が現れる病態も知られています。
・食事内容、水分摂取
食物繊維や水分の不足は、便が硬くなり便秘の原因になります。また、脂っこい食事や冷たい飲料水の摂りすぎ、食あたりなどは下痢の原因になります。極端な食事制限や偏った食生活も、腸内環境を乱す要因になります。私の父親も最近、病院に行くことがあり、病院の先生に過度の便秘だから水分を摂るように言われたみたいです。

・腸内環境の乱れ
腸内細菌のバランスが崩れると、便秘・下痢どちらの症状にもつながります。睡眠不足や不規則な生活リズムも、腸内環境に影響を当てることがわかっています。
・骨盤周りの筋力、姿勢
便を押し出す力(腹圧)が弱いと便秘につながりやすく、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることも、腸の動きを鈍らせる要因の一つです。

東洋医学から見る便秘・下痢の原因
東洋医学では、便秘も下痢も「脾胃(ひい)」と「気」の巡りの状態から説明されます。
・脾胃の働きの乱れ
東洋医学でいう脾胃は、消化吸収を担う中心的な存在です。この脾胃の働きが弱ると(脾胃虚弱)、消化のパワー不足によって下痢や軟便が起こりやすくなります。逆に、脾胃に熱がこもった状態(胃熱)や、体液が不足した状態(津液不足)では、便が乾燥し便秘になりやすいとされています。
・気滞(きたい)によるもの
ストレスによって「肝」の疏泄作用がうまく働かず、気の巡りが滞る「気滞」の状態になると、腸の働きにも影響が出ます。気滞は、便秘としても下痢として現れることがあり、これは西洋医学でいう自律神経の乱れによる腸への影響と、非常によく似た構造だと言えます。ストレスがかかると人によって便秘になったり下痢になったりするのは東洋医学的に見ても納得のいく現象です。
・冷え(寒邪)によるもの
お腹が冷えると、腸の働きが乱れやすくなります。冷たい飲食物の摂りすぎや、体そのものの冷えは、下痢の原因にも、逆に腸の動きを鈍らせて便秘の原因にもなり得ると考えられています。

おすすめのツボ2選
①天枢(てんすう)
場所:おへそから指3本分ほど外側、左右対称にあるツボです。
特徴:天枢は大腸の働きに深く関わるツボとして知られ、便秘にも下痢にも使われ、腸のトラブル全般に対応できる万能なツボです。腸の蠕動運動を整える作用があるとされ、施術の現場でもお腹の状態を見ながら頻繁に用いています。
セルフケアでの押し方
①おへそから指3本分外側の左右の位置を、人差し指と中指で確認する。
②仰向けに寝た状態で、お腹の力を抜き、ゆっくり指を沈めるように押す。
③「の」の字を書くようにお腹全体を優しくマッサージするのも効果的です。
④食後すぐは避け、リラックスできるタイミングで行うのがおすすめです。

②足三里(あしさんり)
場所:膝のお皿の外側下、指4本分ほど下がったところにあるツボです。
特徴:足三里は「胃腸の調子を整える万能ツボ」をして古くから知られ、消化機能全般をサポートする代表的なツボです。脾胃の働きを底上げする作用があるとされ、慢性的な胃腸の不調、便秘、下痢どちらの体質改善にも用いられます。
セルフケアでの押し方
①膝の皿の外側下端に指を置き、そこから指4本分下にずらします。
②すねの骨の外側にあるくぼみを探す。
③親指で少し圧をかけながら、円を描くように押す。
④毎日の習慣として続けることで、体質改善にもつながりやすくなります。

日常生活で意識したいこと
・決まった時間に食事を摂り、生活リズムを整える
・冷たい飲食物を摂りすぎない
・適度な運動で腹圧や血流を保つ
・ストレスをうまく発散する時間を持つ
・水分と食物繊維をバランスよく摂る
まとめ
便秘と下痢は正反対の症状に見えて、実は自律神経の乱れやストレス、冷え、脾胃の働きといった共通の背景から起こることが少なくありません。「便秘がちだけど、たまに下痢になることもある」という方も多く、これは決して珍しいことではないのです。
天枢と足三里は、どちらも自宅でセルフケアしやすいツボです。日々の生活習慣の見直しと合わせて、ぜひ取り入れてみてください。症状が長引く場合や、体重減少や血便などの症状を伴う場合は、自己判断をせず医療機関の受診をおすすめします。
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