ショッピングモールで子供と歩き回ったら、すねが痛くなった話。鍼灸師が伝える「歩行」の効能と正しい歩き方

健康

こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。

先日、子供と一緒にショッピングモールに出かけました。あちこちお店を覗いたり、遊び場で追いかけっこをしたりと、気づけば館内をかなりの距離歩き回っていました。楽しい時間だったのですが、帰宅後から翌日にかけて、すねの内側にズキズキとした痛みを感じるようになりました。

これはシンスプリントと呼ばれる、すねの内側に負担が蓄積して起こる炎症です。普段から患者さんにも説明している症状なのですが、まさか自分がショッピングモールを歩いただけでなるとは思わず、少し驚きました。振り返ってみると、フラットで硬い床を長時間歩き続けたこと、そして子供に合わせて小走りになる場面が多かったことなど、いくつか思い当たる原因がありました。

今回はこの実体験をきっかけに、歩行が体にもたらすメリットと、負担をかけない正しい歩き方について、鍼灸師の視点からお話しします。

西洋医学的なメリット

心肺機能の向上

歩行は有酸素運動の代表格で、継続することで心肺機能や血流が向上します。

骨密度の維持

歩くときの適度な衝撃は骨に刺激を与え、骨密度を保つ助けになります。

筋力の維持

特に下半身の筋肉を使うため、加齢による筋力低下の予防につながります。

自律神経、メンタルへの好影響

リズミカルな運動はセロトニンの分泌を促し、気分の安定や睡眠や睡眠の質の向上にも関わってくるとされています。

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血糖値、血圧の安定

定期的な歩行習慣は、生活習慣病の予防にも役立つことがわかっています。

東洋医学的なメリット

東洋医学では、足は「第二の心臓とも呼ばれ、全身の気血の巡りに深く関わる部位とされています。足には胃経、脾経、腎経、膀胱経、肝経といった多くの経絡が通っており、歩くことでふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、滞りがちな気血を全身に巡らせる助けになると考えられています。

デスクワークなどで座りっぱなしので生活が続くと、この「足のポンプ機能」が使われず、下半身の巡りが滞りやすくなります。適度な歩行は、むくみや冷えの改善にもつながる、東洋医学にも理にかなった養生の一つです。

今回、自分が痛めて改めて実感したのですが、「歩く」という動作は単純なようで、フォームが乱れると体に負担が蓄積しやすいものです。以下のポイントを意識するだけでも、体への負担はかなり変わってきます。

姿勢:猫背にならないよう、頭のてっぺんを軽く引っ張られるようなイメージで背筋を伸ばす。私が行っていた高校の陸上部の先生は陸上部の生徒に競歩をすることで姿勢も意識できるように指導していました。

視線:下ばかりを見ず、少し先を見るようにすると、自然と姿勢が整いやすくなります。私自身も子供がいると下を見ることが多いので一人のときは前を向くようにしています。

着地:かかとから接地し、足の裏全体からつま先へと体重を移動させるように意識する。大腿の筋肉や腸腰筋などが落ちてくると、つまずきやすくなってきます。

歩幅:自然に出る歩幅より半足から一足分大股で歩くことによって臀筋から大腿の筋肉をしっかりと使うことができます。

腕の振り:肘を軽く曲げ、大きすぎず自然に前後に振ることで上半身の力みが抜けやすくなります。腕が振れていないと前に行く推進力が減ってしまうので前述の歩幅が狭くなってしまいます。

靴選び:クッション性のある、自分にの足に合った靴を選ぶことも非常に重要です。患者さんからよく「どんな靴を選んだらいいか?」という質問を受けますが、一番は試しに履いて歩いた時のフィーリングを大切にするように伝えています。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)とは、すねの骨(脛骨)の内側に、繰り返しの負荷が蓄積することで起こる炎症です。ランナーに多い症状として知られていますが、今回の私のように、普段運動をあまりしない人が急に長時間歩いたり、硬い床の上を歩き続けたりすることでも起こります。

主な原因として、次のようなことが挙げられます。

・運動不足の状態から急に長時間、長距離歩いた(私のケースはこれに近いです)

・硬い路面やフラットな床を長時間歩き続けた

・クッション性の低い靴で歩いた

・足首や足裏のアーチの機能が低下している、扁平足気味である

・歩行フォームの乱れ(かかとと着地ができていない、内股、外股気味など)

東洋医学的には、脛骨の内側は脾経や腎経が通る領域と重なり、慣れない負荷によって気血の巡りが滞ることで、炎症や痛みとして現れると捉えることができます。

自分自身が経験して行ったケアをご紹介します。

まずは安静に:痛みが強い間は、無理に歩き続けず、休ませることを優先しました。

冷やす:痛みが出てすぐの時期は、患部を湿布やアイシングで冷やして炎症を落ち着かせました。

温めるタイミングを見極める:急な痛みが落ち着いてきたら、入浴などで血流を促し、回復のサポートをしました。

ふくらはぎ、すね周りのストレッチ:痛みが落ち着いてきたら、周辺の筋肉を優しくほぐすことも大切です。ストレッチしたい片方の足を後ろに引き、足の裏を両方つけたまま両膝を曲げてアキレス腱が伸びるのを感じながら10〜20秒キープします。

靴を見直す:次に長時間歩く予定がある時は、クッション性のある靴を選ぶように意識するようにすることも重要です。

痛みが長引く場合や、腫れが強い場合は、疲労骨折などの原因が隠れていることもあるため、自己判断をせず整形外科や整骨院などの受診をおすすめします。

歩行は特別な道具もいらず、日常に取り入れやすい優れた運動です。西洋医学的にも東洋医学的にも、体にとって多くのメリットをもたらしてくれます。ただし今回の経験を通して「歩く」という当たり前の動作にも、フォームや環境への配慮が必要だと改めて実感しました。

子供と過ごす時間はかけがえのないものですが、大人の体も無理をしすぎないよう、正しい歩き方と、たまには靴選びも見直しながら、これからも元気に付き合っていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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