「動悸がして、イライラが止まらない」患者さんに見た心の乱れとおすすめのツボ2選

健康

こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。

最近来院された患者さんに、

仕事が忙しくなってから、突然ドキドキすることが増えた

些細なことでイライラしてしまい、自分でも制御できていない

というお悩みを抱えている方がいらっしゃいました。病院で検査を受けても心臓そのものには異常が見つからず、「ストレスでしょう」と言われたものの、症状が改善せず困っているとのことでした。

問診を進めていくと、寝付きの悪さ口の中の渇き夢を多く見るといった訴えもあり、東洋医学的には心(しん)の状態が乱れているサインが複数見られました。今回は、このケースを踏まえながら、東洋医学における「心』の病証の種類と、おすすめのツボを2つ紹介していきます。

※これから紹介するツボはあくまで臨床上よく使うツボなので絶対に治るとは限りません。本記事では、私がこれまでの臨床経験や専門学校で培った知識をベースに、現代のセルフケアでも広く活用されている代表的なツボを紹介します。

東洋医学における「心」とは

東洋医学でいう心は、西洋医学の心臓(血液を送り出すポンプ)としての働きに加えて「神(しん)」つまり精神活動や意識、思考を主る働きも担うとされています。

心は神を蔵す

という言葉があるように、心の状態は、動悸などの身体状態だけでなく、精神的な安定にも深くかかわらと考えられています。

心の働きが乱れると、動悸、不眠、不安感、イライラ、物忘れといった身体と心の両面にわたる症状が現れやすくなります。

心の病証(びょうしょう)の種類

一口に「心の乱れ」といっても、東洋医学ではいくつかのタイプに分けて考えます。代表的なものをご紹介します。

心血虚(しんけっきょ)

心を養う「血」が不足した状態です。動悸、不眠、夢を多く見る、顔色が白っぽい、めまいなどが特徴で、過労や慢性的な栄養不足、出血などによって血が消耗した際に起こしやすいとされます。

心気虚(しんききょ)

心を動かす「気」が不足した状態です。動悸、息切れ、疲れやすさ、汗をきやすいといった症状が特徴で、慢性的な疲労や加齢によって気力そのものが落ちている状態と考えられています。

心陰虚(しんいんきょ)

心を潤す「陰」が不足し、相対的に熱がこもった状態です。動悸に加えて、寝汗、口や喉の渇き、微熱感、そわそわして落ち着かない感覚などが特徴です。過労やストレスの蓄積、加齢によって起こりやすいとされます。

心火亢盛(しんかこうせい)

心に「熱」が過剰にこもった状態です。強いイライラ、不眠、口内炎、口の渇き、動悸を伴う強い焦燥感(焦りと不安が混ざり合い、イライラして心も体も落ち着かなくなる不快な精神状態)などが特徴で、ストレスや怒りの感情が長く続くことで起こりやすいとされます。

今回来院された患者さんは、動悸とイライラに加えて、口の渇きや寝付きの悪さも訴えられていたことから、心陰虚から心火亢盛へと傾いているタイプと考え、こもった熱を鎮めつつ、心を落ち着かせるツボを中心に施術を行いました。

おすすめのツボ

神門(しんもん)

場所:手首の内側、小指側にあるくぼみ。

特徴:神門は心の経絡に属する代表的なツボで、その名の通り「神(精神)の門」を意味します。動悸、不眠、不安感、イライラといった心の乱れ全般に用いられる万能なツボで、今回の患者さんにも使用しました。

セルフケアでの押し方

①手首の小指側、骨の際にあるくぼみを指で探す

②心地よい強さで、ゆっくり押し込む

③5秒押して離すを5回程度繰り返す

④就寝前に行うと、リラックスして眠りにつきやすくなるサポートになります

内関(ないかん)

場所:手首の内側、手首のシワから指3本分ほど肘側、腱と腱の間。

特徴:内関は心の働きを調整し、動悸や胸の詰まった感じ、吐き気などにも用いられる幅広い作用を持つツボです。緊張や不安が強いときに押すと、気持ちが落ち着きやすくなるとされ、日常的なセルフケアにも取り入れやすいツボです。国家試験当日に当時の学科長に緊張緩和を目的に、このツボを刺激するようにシールタイプの鍼をされたのを今でも覚えています。

セルフケアでの押し方

①手首のシワから指3本分肘側、腱と腱の間のくぼみを探す

②反対の手の親指でゆっくり圧をかける

③深呼吸をしながら、5秒押して離すを数回繰り返す

日常生活で意識したいこと

・就寝前はスマートフォンやパソコンから離れ、心身を落ち着かせる時間を作る

・カフェインの取りすぎを控える(心の高ぶりを助長しやすいため)

・感情を溜め混みすぎず、適度に発散する機会を持つ

・睡眠の質を優先し、生活リズムを整える

注意していただきたいこと

動悸やイライラは、東洋医学的な心の乱れだけではなく、不整脈や甲状腺機能亢進症など、医学的な検査が必要な病気が背景にある場合もあります。今回の患者さんも、まず病院で心臓の検査を受けていただいた上で、臓器的な異常がないことを確認してから施術に進んでいます。動悸が続く、強い胸の痛みを伴う場合は自己判断せず医療機関を受診してください。

まとめ

今回来られた患者さんは数回施術を繰り返していくことによって、仕事中のイライラが減ったり、睡眠の質が良くなった感じがすると言っていただきました。

動悸やイライラといった症状は、単なる気の持ちようで片付けられがちですが、東洋医学的に見ると、心という一つの臓の状態が深く関わっているとこが少なくありません。今回ご紹介した神門と内関は、日常的にセルフケアしやすいツボです。ストレスの多い日々の中で、ぜひ取り入れてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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