理想の血圧はいくつ?数値の異常に潜む病気とおすすめのツボを鍼灸師が解説

健康

こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。

健康診断で血圧が高いと言われたんだけど、正直どのくらいが正常なのかわかってないという声を、患者さんからよく聞きます。血圧は日々変動するものであり、一度の数値だけで一喜一憂する必要はありませんが、慢性的に基準を外れている場合は、体からの需要なサインであることも少なくありません。

実は私自身も、血圧の大切さを実感した経験があります。妻が妊娠していた時、産婦人科の先生から「妊娠高血圧にならないように、塩分と体重管理に気をつけてくださいね」と繰り返し声をかけられていました。当時は「妊娠中に血圧なんて関係あるのかな」と正直あまりピンと来ていなかったのですが、調べていくうちに、妊娠中の血圧管理は母体にとっても赤ちゃんにとっても非常に重要だと知り、家の中でも一緒に塩分控えめの食事を心がけるようになりました。幸い妻は大きなトラブルなく出産を終えましたが、この経験を通して、血圧という数値がいかに体の状態を映し出しているかを実感しました。

今回は、理想とされる血圧の目安と、数値の異常に潜む可能性のある病気、そして施術でも使うおすすめのツボについてお話しします。

血圧は収縮期血圧(上の数値)拡張期血圧(下の数値)の2つで表されます。日本高血圧学会の基準ではおおよそ次のように分類されます。

・至適血圧:120/80 mmHg未満

正常血圧:120〜129/80〜84 mmHg

・正常高血圧:130〜139/85〜89 mmHg

高血圧(I度):140〜159/90〜99 mmHg

高血圧(II度以上):160/100 mmHg

家庭で測る場合は、病院で測るよりも基準がやや低めに設定されており、家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。

血圧を測るタイミング(朝か夜か、測定前の活動量、ストレス状態)によっても変動するため、一度だけでなく、継続的に記録して傾向を見ることが大切です。

慢性的に血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり続け、さまざまな病気のリスクが高まります。

動脈硬化:心臓から全身に送る血管の壁が厚く硬くなり、しなやかさが失われて詰まりやすい状態です。

脳卒中(脳出血、脳梗塞):血管への負担が蓄積し、破れたり詰まったりするリスクが上昇し、脳細胞が傷つく病気の総称です。

心疾患(心筋梗塞、心不全):心臓が血液を送り出す際の負担が増大して血管が詰まったり、全身に血液を送り出すことができない状態です。

腎臓病:腎臓の細い血管にも負担がかかり、老廃物のろ過や血圧調整を担う腎機能が低下する病気です。

また、二次性高血圧といって、腎臓の病気やホルモンの異常(原発性アルドステロン症など)が背景にあって血圧が上昇しているケースもあります。急に血圧が高くなった、薬を使ってもなかなか下がらないといった場合は、こうした病気が隠れていないか、医療機関(循環器内科など)の検査が必要です。

血圧が低いことは、高血圧ほど深刻視されないことも多いですが、症状を伴う場合は注意が必要です。

立ちくらみ、めまい:脳への血流が一時的に不足することで起こる(脳虚血、起立性低血圧など)。

倦怠感、疲れやすさ:全身への血流が滞りやすくなることで起こります。

甲状腺機能低下症:首にある甲状腺から出るホルモンが低下することで血圧が低下したり、前述で書いた倦怠感などの症状が出ることがある。

貧血:血液を送り出す力そのものは十分でも、血液の質(酸素運動能力)が低下している場合がある。

低血圧自体は病気とみなされないことも多いですが、症状が強く日常生活に支障が出ている場合は背景に何かしらの病気が隠れていないか調べることが大切です。

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先ほどのエピソードにも関わる話ですが、妊娠中は特に血圧の管理が重要視されます。妊娠20週以降に血圧が高くなる状態は、妊娠高血圧症候群と呼ばれ、放置すると母体、赤ちゃん双方に影響が及ぶ可能性がある、注意が必要な病態です。

母体へのリスク:重症化すると子癇(しかん)と呼ばれる痙攣発作や、肝機能障害、腎機能障害などを引き起こすことがあります。

赤ちゃんへのリスク:胎盤への血流が低下し、赤ちゃんの発育不全や、早産につながることがあります。

産婦人科で血圧測定や尿検査が毎回行われるのは、こうしたリスクを早期に発見するためです。私の妻が先生から繰り返し塩分や体重管理について声をかけられていたのも、この妊娠高血圧症候群を予防するためだったと、後になって理解しました。

・塩分を摂りすぎない食事を心がける。

・適度な体重管理を行う(急激な体重増加に注意)

・定期的な妊婦健診をきちんと受ける

・手足のむくみ、頭痛、目のちらつきなど、いつもと違う症状があればすぐに病院に相談する。

自己判断でケアしようとせず、必ず産婦人科の先生の指導に従うことが大前提ですが、パートナーとして日々の食事作りなどでサポートできることも多いと感じた経験でした。

東洋医学に「血圧」という直接の概念はありませんが、血圧の異常につながりやすい体の状態について、いくつかの捉え方があります。

肝陽上亢(かんようじょうこう)

ストレスや怒り、緊張が続くことで「肝」の働きが乱れ、上半身に熱やエネルギーが上がりやすくなる状態です。のぼせ、頭痛、めまい。イライラといった症状を伴いやすく、高血圧気味の方に見られやすい体質とされています。

気血両虚(きけつりょうきょ)

気や血が不足した状態で、疲れやすさ、立ちくらみ、顔色の悪さなどを伴います。低血圧気味の方に見られやすい体質で、しっかりと栄養を巡らせる力が不足していると考えられます。

曲池(きょくち)

場所:肘を曲げたときにできるシワの外側の端。

特徴:曲池は、のぼせや頭部の熱を鎮める作用があるとされ、血圧気味で頭に熱が上がりやすい方によく使われるツボです。ストレスによる緊張を緩める効果も期待できます。

セルフケアでの押し方

①肘を軽く曲げ、外側にできるシワの端を指で探す。

②心地よい強さで、5秒押して離すを5回程度繰り返す。

③反対側も同様に行う

太衝(たいしょう)

場所:足の甲、親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみ。

特徴:太衝は「肝」の経絡に属すツボで、気の巡りを整え、のぼせやイライラを鎮める作用があるとされています。肝陽上亢タイプの高血圧気味の方にもよく用いています。

セルフケアでの押し方

①足の甲側、親指と人差し指の骨の間を、足首に向かってなぞる。

②骨が合わさる手前のくぼみを見つけたら、ゆっくり押し込む。

③5秒押して離すを5回程度繰り返す。

低血圧気味で立ちくらみが気になる方には、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」というツボもよく使われれます。全身の気を持ち上げる作用があるとされ、気血が不足しがちな方の巡りをサポートしてくれます。

・家庭用の血圧計で、朝と夜、決まった時間に測定する習慣をつける。最近は安価な血圧計もあるのでおすすめです。

・塩分の取りすぎに注意し、バランスの良い食事を心がける。

・適度な運動習慣を持つ

・十分な睡眠を確保し、ストレスを溜めすぎない。

・血圧に大きな変動や自覚症状がある場合は、自己判断せず医療機関(循環器内科など)を受診する。

血圧は体からの静かなサインを教えてくれる大切な指標です。高すぎても低すぎても、体には何らかの理由があります。日々の血圧の変化に目を向けながら、ツボ押しや生活習慣の見直しも取り入れて、無理のない範囲で体を整えていってください。気になる症状が続く場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。

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