こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
病院で検査をしても特に異常はないけれど、なんとなく調子が悪い。そんなときに、自分でできるケアのひとつとして試していただきたいのがツボ押しです。
今回は、鍼灸師として10年間臨床に立ってきた中で、私がよく使うツボの中から、セルフケアにも取り入れやすい3つを紹介します。
- 合谷(ごうこく)
- 三陰交(さんいんこう)
- 百会(ひゃくえ)
いずれも、私がこれまでの臨床経験や専門学校で学んだ知識をもとに選んだ、セルフケアでも広く使われている代表的なツボです。ただし、ツボ押しで症状が必ず良くなるとは限らない点はご了承ください。

ツボとは?
ツボは、東洋医学で「経穴(けいけつ)」と呼ばれ、体を流れるエネルギーの通り道である「経絡(けいらく)」の上にあるポイントです。WHO(世界保健機関)では、361の経穴の位置が標準化されています。
今回紹介する3つは、その中でも特によく使われるツボです。
① 合谷(ごうこく)— 首から上の不調に
鍼灸師ではない方でも、名前を聞いたことがあるかもしれません。
合谷の場所
手の甲側で、親指と人差し指の骨が交わるV字のくぼみから、少し人差し指側に寄った骨のきわにあります。

合谷の特徴
合谷は「手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)」の原穴(げんけつ)です。原穴とは、その経絡のエネルギーが最もよく表れるとされる重要なツボです。
昔から「面口(めんこう)は合谷に収む」という言葉があり、簡単に言えば「顔や口など、首から上の症状には合谷」という意味です。
よく用いられる症状:頭痛、歯の痛み、目の疲れ、肩こり、首こり、ストレス、自律神経の乱れなど
臨床での使い方
私は、頭痛や肩こりの施術のほか、美容鍼のときにも合谷を使うことがあります。合谷への刺激で「肩から頭にかけて血流が良くなった感じがする」とおっしゃる患者さんも多く、主に上半身の症状に対して使うことが多いツボです。
天気が悪くなると起こる頭痛については、こちらの記事でもお話しています。
shinbitokenn.com/%e5%a4%a9%e6%b0%97%e3%81%8c%e6%82%aa%e3%81%8f%e3%81…%96%e3%81%a8%e7%89%87%e9%a0%ad%e7%97%9b%e3%81%ae/
② 三陰交(さんいんこう)— 女性の不調や冷えに
三陰交の場所
内くるぶしの一番高いところから指4本分上、すねの骨の内側のきわ(骨のすぐ後ろ)にあります。

三陰交の特徴
三陰交は「足の太陰脾経(たいいんひけい)」のツボで、その名の通り、足を通る3つの陰の経絡(脾経・肝経・腎経)が交わる「交会穴(こうかいけつ)」とされています。
東洋医学では、脾経は消化器、肝経は気持ちや血(けつ)、腎経は生命力や水分の巡りと関わるとされており、合谷と同様に幅広い不調に用いられます。
よく用いられる症状:生理痛、PMS(月経前症候群)、冷え、むくみ、胃腸の不調、自律神経の乱れなど
臨床での使い方
三陰交は血の巡りやホルモンバランスとの関わりが深いとされ、臨床でも女性特有の不調に悩む患者さんに対して、非常によく選ぶツボのひとつです。
足首まわりは冷えている方が多いため、鍼だけでなくお灸をすることもよくあります。足首は大きな筋肉が少なく、血管が皮膚に近いところを通っているため冷えやすい場所です。足湯などで温めるのもおすすめです。
月経痛とむくみについては、それぞれこちらの記事で詳しくお話しています。

③ 百会(ひゃくえ)— 頭の疲れや自律神経の乱れに
昔、私の小学校では、百会を「押すと下痢になるツボ」と言ってふざけて押し合っていました。ところが鍼灸を学んでみると、実はとても大切なツボでした。
百会の場所
左右の耳の一番高いところを結んだ線と、顔の中心線を頭のてっぺんまで伸ばした線が交わるところにあります。

百会の特徴
百会は、体の背中側の中心を通る「督脈(とくみゃく)」のツボです。「百脈の会する処(ひゃくみゃくのかいするところ)」と言われ、多くの経絡が交わる場所とされています。
よく用いられる症状:自律神経の乱れ、ストレス、寝つきの悪さ、頭痛、めまい、耳鳴り、立ちくらみなど
臨床での使い方
私は、原因がはっきりしない不調(不定愁訴〈ふていしゅうそ〉)がある方や、頭痛の方に多く使っています。頭の重さやモヤモヤ感をスッキリさせることが期待できるツボなので、勉強やデスクワークで頭が疲れて集中力が落ちてきたときのケアにもおすすめです。
自律神経については、こちらの記事でもお話しています。
ツボの押し方と注意点
押し方の目安
- 痛気持ちいいくらいの強さで押す
- ゆっくり息を吐きながら5秒押し、ゆっくり離す。これを3回ほど繰り返す
- 強く押しすぎると、筋肉や血管を傷めたり、もみ返しのような症状が出たりすることがあるので注意
ツボ押しを控えたほうがよい場合
- 妊娠中の方 — 合谷と三陰交は、東洋医学で古くから妊娠中は刺激を避けるべきツボとされています。特に妊娠初期(安定期に入る前)は押さないようにし、セルフケアを考えている場合は、かかりつけの医師や助産師に相談してください
- 皮膚に傷や炎症、腫れがあるところ
- 発熱があるとき、飲酒後、食後すぐ
悪化した場合や心配な場合
ツボ押しは、あくまで日常のセルフケアです。次のような場合は、ツボ押しで様子を見ずに医療機関を受診してください。
- 今までに経験したことのない激しい頭痛、手足のしびれやろれつが回らないなどを伴う頭痛(すぐに救急を受診してください)
- 日常生活に支障が出るほどの生理痛や、月経の出血量が多い(婦人科)
- めまいや耳鳴りが続く、難聴を伴う(耳鼻咽喉科など)
- なんとなくの不調が長く続く、体重が急に減った、微熱が続く(内科)

まとめ
今回は、私が臨床でよく使うツボの中から、合谷・三陰交・百会の3つを紹介しました。
- 合谷 — 頭痛や肩こりなど、首から上の不調に
- 三陰交 — 生理痛や冷えなど、女性の不調に
- 百会 — 頭の疲れや自律神経の乱れに
ツボの効果には個人差があります。気持ちよく続けられる範囲で試しつつ、症状が続く場合は医療機関や鍼灸院に相談してください。知りたいツボやケア方法があれば、コメントやXで気軽に教えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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