こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
「施術を受けた次の日、体が余計にだるくなったんですが大丈夫ですか?」
これは施術後の患者さんから、実によくいただくご質問です。せっかく体を楽にしようと受けた鍼灸やマッサージなのに、翌日になって痛みやだるさが出ると、「悪化したのでは」「自分にあっていないのでは」と不安になる方も少なくありません。
いわゆる「揉み返しと呼ばれるこの現象、実は多くの場合、体が変化していく過程で起こる自然な反応です。今回はもみ返しがなぜ起きるのか、そしてどう付き合っていくけば良いのかを、鍼灸師の立場からお話しします。

揉み返しとは何か
揉み返しとは、施術を受けた後に、施術部位やその周辺に痛み、だるさ、張りなどが一時的に出る現象のことです。多くは施術当日から翌日にかけて現れ、数日以内に自然と落ち着いていきます。
「揉み返し」という言葉自体は医学用語ではなく、俗称に近いものですが、体の中では実際にいくつかの反応が起きていると考えられています。
揉み返しはなぜ起きるのか
施術を受けた後の揉み返しはなぜ起こってしまうのか、主に3つのパターンが考えられているので紹介していきます。
①施術による微細な刺激と炎症反応
鍼やマッサージによる刺激は、硬く縮こまった筋肉や滞っていた血流に働きかけます。この時、筋肉や周辺組織にごく小さな刺激(微細な損傷に近いもの)が加わることがあり、そこに軽い炎症反応が起こります。これは運動後の筋肉痛と似たメカニズムで、「体が回復しようとしているサイン」とも言えます。
②普段動いていなかった部分が急に動き出す
長年固くなっていた筋肉や関節は、いわば「使われることに慣れていない」状態です。施術によって急に血流が促され、可動域が広がると、体はその変化に慣れるまで一時的に違和感を覚えることがあります。これは、久しぶりに運動した翌日に筋肉痛になるのと、体の仕組みとしては近いものがあります。

③老廃物や滞っていたものが動き出す過程
東洋医学的な視点で見ると、揉み返しは「気血の巡りが急に動き出す過程」として説明できます。長い間滞っていた気や血が、施術によって一気に動き出す時、その過程で一時的に痛みやだるさとして現れることがあると考えられています。川の流れのように例えるなら、長らく溜まっていた土砂が、水の流れが良くなることで一気に動き出し、一時的に濁って見えるようになるイメージです。
揉み返しが起こりやすい人の傾向
臨床の現場で見ていると、以下のような方に揉み返しが出やすい印象があります。
・普段から肩こりや腰の張りが強く、慢性的に筋肉が固くなっている方
・施術の刺激に体が慣れていない、初めて鍼灸やマッサージを受ける方
・睡眠不足や疲労が蓄積している方
・ストレスが多く気の巡りが滞りやすい状態(気滞)にある方
・冷えが強く、血の巡りが悪い方(瘀血傾向)
私自身、専門学校時代に睡眠不足の状態で実技を受けた次の日に、体がだるくなったのを今でも覚えています。
揉み返しが出やすいということは、それだけ体に滞りや硬さが蓄積していたサインとも言えます。

揉み返しと「悪い反応」の見分け方
とはいえ、全ての痛みが「良い反応」というわけではありません。以下のような場合は、単なる揉み返しではなく、注意が必要な反応である可能性があります。
・痛みが1週間以上続く、または徐々に強くなっている
・幹部が大きく腫れる、熱を持つ、皮膚の色が変わる
・痺れを伴う
・発熱や強い倦怠感など、全身症状を伴う
こうした場合は自己判断せず、施術を受けた鍼灸院や整骨院、医療機関に相談することをおすすめします。

揉み返しが出た時の過ごし方
もし揉み返しが出た場合、次のようなことを心がけると、比較的に早く落ち着いてきます。
・無理に動かしすぎない
痛みが強い時期は、激しい運動やストレッチは控えめにしてください。
・温める
入浴などで体を温めると、血流が促され、老廃物の排出が早くなりやすくなります。
・水分をしっかり摂る
巡りを助けるためにも、こまめな水分補給を意識しましょう。
・睡眠をしっかりとる
体の修復は睡眠中に進みます。揉み返しが出た日は特に早めの就寝をしましょう。

・焦らず様子を見る
多くの場合、2〜3日以内には自然と楽になっていきます。
まとめ
揉み返しは、決して「施術が失敗した」というサインではなく、多くの場合、体が変化していく過程で起こる自然な反応です。とはいえ、初めて経験すると不安になるのも当然のことだと思います。
もし施術後に不安な症状が出た場合は、遠慮なく施術者に相談してください。日頃の体の状態や施術内容によって、揉み返しの出方は一人ひとり異なります。ご自身の体の反応を知っていくことも、体質改善への大切な一歩だと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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