こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
「フェイスラインがすっきりしない」「こめかみのあたりが痛い」「頭が重だるい」
こうした美容の悩みを訴えるかたの頭を触診すると、こめかみ(側頭筋)がガチガチに緊張しているケースが少なくありません。これは「側頭筋(そくとうきん)」という筋肉の緊張が関係していることが多く、実はこの筋肉、フェイスラインや顔全体の印象に大きく関わっています。今回は、側頭筋とフェイスラインの関係、そして美容面でのケアについてお話しします。
側頭筋とは
側頭筋は、こめかみのあたりから頭の側面に扇状に広がる筋肉で、下顎の骨とつながっています。食べ物を噛む時に使われる「咀嚼筋」の一つで、以前ご紹介した咬筋(こうきん)と並んで、噛む動作の中心的な役割を担っています。

側頭筋は、単に「噛む筋肉」というわけでなく、頭全体を覆う「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)」という筋膜のネットワークの一部でもあります。この帽状腱膜は、額の前頭筋、後頭部の後頭筋、そして側頭筋とつながっており、頭皮全体、さらには顔の筋膜とも連動していると考えられています。つまり、側頭筋の状態は、こめかみだけにとどまらず、顔全体の印象にまで影響を及ぼす可能性があるのです。
側頭筋の緊張がフェイスラインに与える影響
フェイスラインのもたつき・輪郭のぼやけ
側頭筋が緊張は筋膜のつながりを通じて頬や顎まわりの筋肉のも影響し、顔全体の血流やリンパの流れを滞らせやすくなります。これが、フェイスラインのもたつきやむくみにつながることがあります。
こめかみ(側頭筋)の緊張によるへこみ
側頭筋の過剰な緊張な使いすぎは、その部分の血流を悪化させ、周辺の脂肪組織にも影響を与えると考えられています。「こめかみが痛くなってきた」と感じる場合、加齢だけでなく、慢性的な側頭筋の緊張が関わっている可能性もあります。
顔の左右差
普段のどちらか一方の歯でよく噛むクセがある方は、左右の側頭筋の使い方に差が生まれ、それがフェイスラインの左右差を現れることもあります。

目元のたるみ・くすみ
側頭筋の緊張は、目のまわりの筋肉や血流にも影響されやすく、目の疲れ、まぶたの重さ、くまやくすみとして現れることがあります。
側頭筋が緊張する原因
・以前の記事でもお伝えした通り、無意識の食いしばりは咬筋だけでなく側頭筋にも大きな負担をかけます
・うつ向き姿勢が続くと、頭を支えるために側頭筋を含む頭部の筋肉が緊張しやすくなります
・こめかみ周辺の筋肉の緊張のつながりやすいとされています
・精神的な緊張は、無意識の食いしばりや頭部全体の緊張として現れやすくなります

セルフケアの方法
こめかみのマッサージ
側頭筋がある部分(こめかみから耳の上にかけて)を、指の腹で優しく円を描くようにマッサージします。強く押しすぎず、心地よい強さで行いましょう。特に、奥歯を軽く噛んだときにふくらむ部分を意識すると、側頭筋の位置がつかみやすくなります。
頭皮全体のマッサージ
側頭筋は帽状腱膜を通じて頭全体とつながっているため、側頭部だけでなく、頭全体を軽くマッサージすることも効果的です。両手の指を軽く広げて頭皮に当て、頭蓋骨から皮膚を動かすイメージで優しくほぐしていきます。

顎を動かすストレッチ
口を大きく開けたり閉じたりする、顎を左右にゆっくり動かすといった動作は、側頭筋や咬筋の緊張を和らげる助けになります。痛みがでない範囲で、ゆっくりと行いましょう。
おすすめのツボ
角孫(かくそん)
場所:耳を前に折り曲げたときに、耳の先端が触れる部分。
特徴:角孫は側頭筋のちょうど近くに位置するツボで、こめかみまわりの緊張や頭部の張りに対してよく用いられます。目の疲れや歯の痛みにも関連が深いとされています。
セルフケアでの押し方
①耳を軽く前に折り曲げ、耳の先端が触れる位置を確認する
②指の腹で優しく円を描くように押す
③5秒押して離すを5回程度繰り返す

太陽(たいよう)
場所:眉間と目尻の中間から、外側に指幅1本分ほど進んだこめかみのくぼみ。
特徴:太陽は経絡上の正式なツボではなく「奇穴(きけつ)」と呼ばれる経験的に効果が認められてきたツボですが、こめかみの緊張や頭痛、目の疲れに対して非常によく使われる代表的なポイントです。側頭筋のちょうど中心にあたる部分でもあります。
セルフケアでの押し方
①こめかみのくぼみに人差し指を当てる
②心地よい強さで、ゆっくりと円を描くように押す
③深呼吸をしながら行うと、よりリラックスしやすくなります

日常生活で意識したいこと
・上下の歯を離す意識を持ち、無意識の食いしばりに気づく習慣をつける
・スマホやパソコン作業の合間に、うつ向き姿勢をリセットする
・目を休める時間を意識的に作る
・側頭部のマッサージを、入浴後など血流の良いタイミングで習慣化する
まとめ
フェイスラインや顔の印象の悩みは、つい表情筋やスキンケアだけに意識が向きがちですが、その土台には側頭筋をはじめとする咀嚼筋の状態が深く関わっています。こめかみ(側頭筋)の緊張やフェイスラインのもたつきが気になる方は、一度、側頭筋の緊張に目を向けてみてください。日々のセルフケアの積み重ねが、顔全体の印象を左右する巡りを整える一歩になります。

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