こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
今回は、私たちの体に欠かせない「水」についてお話しようと思います。
皆さんは、人間の体のどのくらいが水分でできていると思いますか?
正解は、成人で約60%です。なんと半分以上が水分なのです。

体の水分量は年齢で変わる
「あれ?80%って聞いたことがあるのに」と思った方も、実は間違いではありません。体の水分の割合は、年齢によって大きく変わるからです。
一般的に、体に占める水分の割合は次のように変化すると言われています。
- 胎児:約90%
- 赤ちゃん(新生児):約75〜80%
- 子ども:約70%
- 成人男性:約60%
- 成人女性:約55%
- 高齢者:約50%
年齢を重ねるほど、体内の水分量は少なくなっていきます。高齢の方に脱水が起こりやすいのは、そもそも体に蓄えられる水分量が少ないことも一因です。
水分の主な役割
① 物質を運ぶ
水分は血液やリンパ液として、酸素や栄養素を全身の細胞に届け、老廃物を尿として体の外に出す役割を担っています。
ちなみに、尿の色は水分が足りているかどうかの目安になります。濃い黄色の場合は水分不足のサインかもしれません。薄い黄色が目安です。ビタミン剤などを飲んだあとは色が濃くなることもあるので、あくまで目安として捉えてください。

② 体温を調節する
暑いときにかく汗は、蒸発するときに体の熱を逃がし、体温を一定に保つ役割を果たしています。
余談ですが、赤ちゃんは体温を調節する働きがまだ未熟で、手足から熱を逃がして体温を調節していると言われています。赤ちゃんの体調を見るときは、手足の状態を観察するのも一つのポイントです。

③ 体の中の環境を保つ
体の中では、栄養をエネルギーに変えるなど、さまざまな化学反応が水の中で行われています。水分は、体液の濃さやpH(ペーハー)のバランスを保つための土台にもなっています。pHとは、酸性かアルカリ性かを表す値のことです。
小学校の理科の実験で、リトマス試験紙を使った記憶がある方も多いと思います。私自身、当時は「こんな実験は将来使うことはないだろう」と思っていましたが、専門学校の授業で改めてpHの知識が出てきたときは、学びのつながりを感じて驚いた記憶があります。
人間の血液のpHは7.35〜7.45が基準とされ、弱アルカリ性に保たれています。このわずかな範囲から大きく外れると、体の機能に支障が出ることもあると言われています。

水分が不足するとどうなる?
1日に出ていく水分は約2〜2.5リットル
一般的に、成人が1日に体の外へ出す水分量は、尿、便、汗、呼吸を合わせて約2〜2.5リットルにのぼると言われています。想像より多いと感じる方も多いのではないでしょうか。
不足したときのサイン
体内の水分が失われていくと、次のような不調が現れると言われています。
- 体重の約2%が減少 — 喉の渇き、食欲不振(脱水の初期サイン)
- 体重の約5%が減少 — 頭痛、めまい、集中力の低下など
- 体重の約10%が減少 — けいれん、失神、意識障害など、命に関わる危険な状態
私も、子どもと遊んでいて頭痛が出ることがあります
私自身、休みの日に子どもと夢中で遊んでいると水分補給を忘れてしまい、後から頭痛が出ることがあります。これは軽い脱水のサインかもしれません。夢中になっているときほど見落としやすいので、皆さんもこまめな水分補給を心がけてください。
「喉が渇いた」と感じたときには、すでに軽い脱水が始まっているとも言われています。
1日にどれくらい飲めばいい?
飲み水としては1日1.2リットルが目安
食事に含まれる水分を除いた、飲み水としての目安は、1日あたり約1.2リットルとされています。
これに、食事からとれる水分(汁物や野菜、果物など)を合わせると、成人が1日にとる水分量は合計で2〜2.5リットル程度になります。運動をする方や、汗をかきやすい季節は、これより多めを意識すると良いでしょう。
私の水分補給の習慣
私自身は、午前中に700mlの水筒を飲み切り、午後も同じように水筒を持って仕事に向かうようにしています。食事中の水分も含めると、1日あたり1.5〜2リットル程度はとれている計算になります。
最近は、時間ごとの目安量が目盛りで書かれたウォーターボトルも人気のようです。いきなりたくさん飲もうとせず、まずはコップ1杯から少しずつ習慣にするのがおすすめです。
飲むタイミング
一度にたくさん飲むよりも、コップ1杯(150〜200ml程度)を、こまめに分けて飲むのがおすすめです。
- 朝起きたとき
- 食事のとき
- 運動の前後、運動中
- お風呂の前後
- 寝る前
何を飲めばいい?
基本は水
基本的には、水がおすすめです。糖分やカフェインなどを含まず、体への負担が少ないためです。
コーヒーやお茶でも水分補給になる?
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには、尿の量を増やす働き(利尿作用)があります。ただ、普段飲む程度の量であれば、コーヒーやお茶でも水分補給になると言われています。とはいえ、カフェインのとりすぎは眠りを妨げることもあるため、水分補給のメインは水や麦茶などにするのが安心です。
コーヒーとの付き合い方については、こちらの記事でお話しています。
一方で、お酒は水分補給にはなりません。アルコールには利尿作用があり、飲んだ以上に水分が出ていくことがあるためです。
水が苦手な方は
水がどうしても苦手という方も少なくありません。施術中に患者さんとお話ししていても、「水は飲みにくい」という声はよく聞きます。そのような場合は、麦茶などのカフェインを含まないお茶で代用しても問題ありません。大切なのは、無理なく続けられる方法を見つけることです。

飲みすぎると「水中毒」になる?
「水を飲みすぎると水中毒になる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
水中毒(低ナトリウム血症)は、短時間に大量の水を飲み続けた場合に起こることがあります。腎臓が処理できる水分量は、1時間あたり1リットル弱と言われており、それを大きく超える量を一気に飲むのは避けましょう。
コップ1杯ずつこまめに飲む、普段の水分補給の範囲であれば、過度に心配する必要はありません。
東洋医学的な視点から
体を潤す「津液(しんえき)」
東洋医学では、血液以外の体の水分を「津液(しんえき)」と呼びます。津液は体を潤し、肌や粘膜、関節などをなめらかに保つ働きがあるとされています。
飲んだ水を巡らせる力も大切
東洋医学では、飲んだ水は、胃腸の働きを担う「脾(ひ)」が吸収し、「肺(はい)」が全身に行き渡らせ、「腎(じん)」が不要な分を排出すると考えられています。
つまり、水は「たくさん飲めば良い」というものではなく、巡らせる力とのバランスが大切です。胃腸が弱っているときや冷えているときに水分をとりすぎると、体に余分な水がたまり(水滞〈すいたい〉)、むくみやだるさにつながると考えられています。
むくみについては、こちらの記事で詳しくお話しています。

冷たい水より、常温か温かいものを
東洋医学では、冷たい飲み物は胃腸を冷やし、働きを弱めると考えられています。暑い日の運動中などを除けば、常温の水や白湯(さゆ)など、体を冷やさない温度で飲むのがおすすめです。
飲み物の温度については、こちらの記事でもお話しています。
気をつけたい場合・受診の目安
- 水分制限がある方 — 心臓や腎臓の病気などで水分の量を制限されている方は、必ず医師の指示に従ってください
- 高齢の方・小さなお子さん — 喉の渇きを感じにくかったり、自分で訴えられなかったりするため、周りの方が時間を決めて水分をすすめてあげてください
- 下痢や嘔吐、大量の汗で水分が失われたとき — 水だけでなく塩分も失われるため、経口補水液などが適している場合があります
また、次のような場合は、医療機関を受診してください。
- 強い頭痛やめまい、ぐったりしている、尿がほとんど出ない
- 意識がぼんやりしている、けいれんがある(すぐに救急車を呼んでください)
- 異常に喉が渇く、水をたくさん飲んでしまう、尿の量や回数が多い状態が続く(糖尿病などが隠れていることがあります)

まとめ
水分補給は、特別な道具も知識もいらない、誰でも今日から始められる健康習慣です。とはいえ、意識しないと意外ととれていないのも事実です。
飲み水としては1日約1.2リットルを目安に、コップ1杯ずつこまめに、できれば常温か温かいもので。皆さんも、1日の中でどれくらい水分をとれているか、一度意識して過ごしてみてください。必要な水分量には、体格や季節、活動量による個人差があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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