こんにちは、鍼灸師のRyosukeです。
毎年、秋から冬にかけて猛威を振るうインフルエンザ。施術中に患者さんから「子どもがインフルエンザにかかった」「この前、自分がなってしまった」といった話をよく聞きます。
インフルエンザは感染力が強く、一度かかると日常生活に大きな支障が出てしまいます。だからこそ、予防が何より重要なのです。
しかし、予防というと、多くの人は「手洗い・うがい」だけを思い浮かべるのではないでしょうか。
実は、東洋医学の観点からは、「肺を温めて強くする」ことが、インフルエンザ予防の鍵になります。
今回は、西洋医学的な理解をベースに、東洋医学的な予防法、そして誰でも自宅でできる大椎(だいつい)ツボの温め方について、詳しくお話しします。
インフルエンザとは何か(西洋医学的視点)
インフルエンザの症状と特徴
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症です。
一般的な風邪との違いは、症状の激しさと進行の速さです。
通常のインフルエンザの症状:
- 高熱(38℃以上)が突然出現
- 筋肉痛や関節痛
- 倦怠感(けんたいかん)
- 咳や喉の痛み
- 頭痛
これらの症状が、風邪よりも強く、急速に現れるのが特徴です。

インフルエンザウイルスの感染経路
インフルエンザは主に以下の2つの経路で感染します:
- 飛沫感染(ひまつかんせん):患者さんの咳やくしゃみから感染
- 接触感染:ウイルスが付着した手で顔を触ることで感染
特に、冬は室内にいる時間が長く、湿度も低いため、ウイルスが生き残りやすく、感染しやすい環境になります。
なぜ予防が重要なのか?
インフルエンザは、適切な治療を受ければ多くの場合、1~2週間で回復します。
しかし、以下のリスクがあります:
- 高齢者や子ども、免疫が低い方は、重症化する可能性がある
- 仕事や学校を休まなければならない
- 家族への感染リスク
だからこそ、感染しない予防が最も効率的なのです。

インフルエンザと肺の関係(東洋医学的視点)
東洋医学で見た肺の役割
東洋医学では、肺は「呼吸」だけでなく、全身の「免疫力」を司る臓器と考えられています。
肺の役割:
- 呼吸を司る
- 体の表面を守る防御機能(「衛気(えき)」と呼ぶ)
- 全身の気(き)を巡らせる
この中でも、特に重要なのが衛気です。衛気とは、体の表面を守り、外邪(がいじゃ)から身を守るバリアのような存在です。
インフルエンザウイルスなどの外邪は、この衛気が弱いと侵入しやすくなるのです。
肺虚弱とインフルエンザのリスク
肺が虚弱(きょじゃく)になると:
- 衛気が弱まり、ウイルスが侵入しやすくなる
- 風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
- かかると重症化する傾向がある
肺を虚弱にする原因:
- 過度な疲労
- 睡眠不足
- 冷え
- ストレス
- 栄養不足
東洋医学的予防の考え方
東洋医学では、病気にならないための予防を「未病(みびょう)」の段階で対処することを重視します。
つまり、肺を強化し、衛気を高めることが、インフルエンザ予防の基本なのです。
大椎(だいつい)ツボについて
大椎とはどこにあるのか?
大椎(だいつい)は、背中の首と肩の間にあるツボです。
位置: 首を前に倒した時に、首の後ろに出っ張る骨(第7頸椎)のすぐ下にあります。
このツボは、背中の正中線上(背骨の上)にあり、非常に重要な位置にあります。

大椎の役割:全身の気と免疫力
大椎は、鍼灸医学で最も重視されるツボの一つです。
その理由は、全身の気が集まり、衛気を統括するツボだからです。
大椎を刺激することで:
- 全身に悪い気と良い気を巡らせることができる
- 衛気が強化される
- 免疫力が高まる
- 風邪やインフルエンザの予防につながる
実は、古典医学の書物にも「大椎を温めることで、万病を防ぐ」という記載があるほど、重要視されているツボなのです。
インフルエンザ予防:大椎ツボの温め方
施術中の患者さんへの指導経験から、自宅で簡単にできる大椎の温め方をご紹介します。
方法1:ドライヤーを使った温め方
手順:
- お風呂上がり、体が温まった状態の時に行う
- ドライヤーを中温設定にする
- 首の後ろ(大椎)に、ドライヤーを15~20cm離して当てる
- 1~2分程度、温める
ポイント:
- 低温やけど(ていおんやけど)に注意すること
- 熱すぎず、心地よい温さが目安
- 毎日、またはできるだけ毎日行う
方法2:シャワーを使った温め方
手順:
- 入浴時、シャワーを背中に当てる
- いつもより少し長めに、大椎周辺に温かいシャワーを当てる
- 1~2分程度、温める
ポイント:
- シャワーの温度は、体が冷えない程度の温さ
- 毎日の入浴時に習慣化しやすい
- 低温やけどのリスクがない

温める際の注意点(低温やけど、時間)
低温やけどとは、60℃程度の熱が長時間皮膚に触れることで起こる、見た目に分からない深刻なやけどです。
予防のポイント:
- ドライヤーは15~20cm以上離す
- 1回あたり1~2分を目安に(3分以上は避ける)
- 毎日行うなら、時間を分散させる(朝と夜など)
- 皮膚に赤みが出ていないか、定期的に確認
その他の予防方法
大椎の温めだけでなく、他の予防方法も組み合わせることが重要です。
食生活での工夫
肺と肺を強化する食材:
- タンパク質:鶏肉、卵、豆類
- ビタミンC:オレンジ、キウイ、ブロッコリー
- ビタミンA:人参、かぼちゃ、レバー
- 生姜:体を温め、免疫力を高める
- 蜂蜜:喉の保湿と免疫力向上
冬の食事では、温かい食べ物を意識することで、内側から体を温めることもできます。

睡眠と体力管理
肺の再生と免疫力強化には、質の良い睡眠が不可欠です。
睡眠時間の目安:
- 毎晩7時間程度の睡眠
- 就寝・起床時間を毎日同じにする
- 寝る1時間前から、スマートフォンを避ける
十分な睡眠により、体の疲労が回復し、衛気が強化されます。

西洋医学的な予防(手洗い・うがい)
もちろん、西洋医学的な予防方法も重要です:
- 手洗い:こまめに、石鹸を使って30秒以上
- うがい:帰宅後すぐに、特に就寝前
- マスク:人混みではマスク着用
- 湿度管理:室内の湿度を50~60%に保つ

まとめ
インフルエンザの予防は、西洋医学的な手洗い・うがいだけでなく、東洋医学的な「肺を温める・強化する」という視点も大切です。
大椎ツボを毎日温めることで、衛気が強化され、インフルエンザにかかりにくい体になると期待できます。
毎日の入浴やドライヤーの習慣に、大椎の温めを加えるだけで、簡単に取り組むことができます。
今年の冬は、ぜひこの方法を試して、健康に過ごしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
X(旧Twitter)もやっているのでフォローよろしくお願いします。
X(旧Twitter)アカウント→@shinbitokenn
本記事は、筆者の臨床経験と医学知識に基づいた情報提供を目的としており、医学的治療を保証するものではありません。インフルエンザのような症状が出た場合は、医師の診察を受けることを強くおすすめします。


コメント